公益信託 サントリー世界愛鳥基金
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TOP > バードウォッチングをはじめよう 2024年度助成 3部門の助成先紹介
4月 2024年度助成 3部門の助成先紹介 サントリー世界愛鳥基金 活動助成金贈呈式よりご報告

2024年度,公益信託サントリー世界愛鳥基金は4200万円の助成を行いました。

 鳥を守る取り組みには,環境を整備したり,ケガをした鳥を保護したり,繁殖地を保全するといった,さまざまな種類があります。そのすべてに共通するのは,成果が出るまでに時間がかかること,そして多くの人の協力が必要なことです。活動を計画し,実行し,結果を報告する——この流れを続けていくことこそが鳥の保全では最も大切なことであり,今日もさまざまな団体が日夜,鳥と向き合っています。サントリー世界愛鳥基金は今年で35年目になります。2022年からは,海外の団体による鳥類の保護活動についても,支援の輪をいっそう広げるために,日本国内の活動団体を通じての申請を条件に助成を始めております。今後も国内外の鳥たちを守るために,さまざまな団体の野鳥保護・調査活動を助成していきます。

助成金贈呈式

 2024年4月22日,サントリー世界愛鳥基金の活動助成金贈呈式が東京・学士会館において,リアルおよびオンラインにて開催されました。

 贈呈式は,運営委員のご紹介の後,サントリーホールディングス(株)サステナビリティ経営推進本部 副本部長の北村暢康氏,環境省自然環境局野生生物課長の中澤圭一氏,運営委員長の塚本瑞天氏のご挨拶よりはじまり,各助成団体の発表が続きました。

 

北村 暢康氏
北村 暢康氏

 本日はご多忙の中,2024年度サントリー世界愛鳥基金の贈呈式にご参加を賜り,誠にありがとうございます。また,このたび助成をお受けになる団体の皆様には,心よりお祝いを申し上げます。1990年に第1回の助成金を贈呈して以来,さまざまな鳥類保護活動を支援し,今回35回目の贈呈式を迎えられる喜びと,これまで活動を支えて下さいました関係者の皆様に,改めてお礼申し上げます。各地で素晴らしい野鳥保護活動を行っている皆様の,今後の更なる活動の広がりと,ますますの飛躍を願い,多くの命あるものにとって,より健全な自然を守り育てるお手伝いをサントリーはこれからも続けてまいりますので,引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

 

中澤 圭一氏
中澤 圭一氏

 サントリー世界愛鳥基金,そして、活動助成を受けられる皆様には,日頃より自然環境保全にご理解とご協力をいただき,厚くお礼を申し上げます。また,30年以上にわたり,愛鳥活動を支えてこられたサントリーホールディングス様に心より敬意を表します。
さて,ネイチャーポジティブの実現のためには,みなさまが日頃から取り組まれている種の絶滅を止めるための活動がとても重要です。種の絶滅は,生物多様性に不可逆的な悪影響を与えます。絶滅した生物種は元には戻りません。 即ち,ネイチャーポジティブの実現にとって,種の絶滅は避けなければならない,非常に重要な要素であり,皆様のような地域でのきめ細かで着実な活動を,世界的に積み上げてこそ達成できるものなのです。みなさまの活動に,あらためて期待とともに,心より感謝を申し上げます。

 

塚本 瑞天氏
塚本 瑞天氏

 2024年度助成金給付対象となった皆さまに心よりお祝いを申し上げます。また、お忙しい中、この贈呈式にご出席を賜りましたご来賓、委託者、信託関係人の方々、式の準備などにご尽力いただいた方々に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。運営委員会での熱心な議論を経て、今年度は23件、4,200万円の助成を行うこととしました。私どもの支援が皆さまの活動に少しでもお役に立てば幸いです。そして、素晴らしい成果が得られることを確信しています。「サントリー世界愛鳥基金」は、日本と世界の自然環境保護のため鳥類保護活動の支援を通じて、皆さまとしっかり協働してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

「鳥類保護団体への活動助成」部門 11団体

2024年度 助成プロジェクト一覧は こちら

日本野鳥の会 佐賀県支部:コウノトリ繁殖支援活動(コウノトリ 佐賀県)
豊橋総合動植物公園:亜種アカモズの飼育下繁殖(亜種アカモズ 愛知県豊橋市)
特定非営利活動法人 奄美野鳥の会:世界自然遺産登録地に生息するアマミヤマシギの保全のための調査・研究(アマミヤマシギ 沖縄県沖縄島他)
公益財団法人 山階鳥類研究所:絶滅危惧種アホウドリの保全に資する利用海域の特定(アホウドリ 北海道他)
公益財団法人 富山市ファミリーパーク公社:ヨウムの野生復帰を想定した繁殖技術の確立(ヨウム 富山県)
コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS):コウノトリの国内全繁殖地における繁殖状況調査および新たなコウノトリ保全方針の作成(コウノトリ 全国)
特定非営利活動法人 三段峡-太田川流域研究会:ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ(ヤマセミ 広島県)
特定非営利活動法人 バードリサーチ:フィリピンの持続可能な森林農法コーヒー農園で越冬している夏鳥の調査(春夏に日本に飛来する渡り性の小鳥類 フィリピン ルソン島)
Philippine Eagle Foundation(フィリピンワシ保護財団):フィリピンミンダナオ島におけるフィリピンワシの感電防止対策と生物多様性に富む原生林の保全再生(フィリピンワシ フィリピン ミンダナオ島)
EXPLORE GAIA ENTERPRISE:キナバタンガン川流域において絶滅の恐れのあるサイチョウ類の営巣機会の向上(サイチョウ類 マレーシア サバ州(ボルネオ島))
ブータン王立自然保護協会:ブータン王国の絶滅危惧鳥シロハラサギの飼育下繁殖技術の確立(シロハラサギ ブータン王国および新潟県)



日本野鳥の会 佐賀県支部 【コウノトリ/佐賀県】
発表者:支部長 宮原 明幸氏
コウノトリ繁殖支援活動(継続)
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豊橋総合動植物公園【亜種アカモズ/愛知県豊橋市】
発表者:動植物園長 高見 一利氏
亜種アカモズの飼育下繁殖
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特定非営利活動法人 奄美野鳥の会【アマミヤマシギ/沖縄県沖縄島他】
発表者:副会長 鳥飼 久裕氏
世界自然遺産登録地に生息するアマミヤマシギの保全のための調査・研究
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公益財団法人 山階鳥類研究所【アホウドリ/北海道他】】
発表者:研究員 富田 直樹氏
絶滅危惧種アホウドリの保全に資する利用海域の特定
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公益財団法人 富山市ファミリーパーク公社【ヨウム/富山県】
発表者:係長 森 大輔氏
ヨウムの野生復帰を想定した繁殖技術の確立
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コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS)【コウノトリ/全国】
発表者:代表 久下 隆史氏
コウノトリの国内全繁殖地における繁殖状況調査および新たなコウノトリ保全方針の作成
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特定非営利活動法人 三段峡-太田川流域研究会【ヤマセミ/広島県】
発表者:上野 吉雄氏
ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ
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特定非営利活動法人 バードリサーチ【春夏に日本に飛来する渡り性の小鳥類/フィリピン ルソン島】
発表者:理事 神山 和夫氏
フィリピンの持続可能な森林農法コーヒー農園で越冬している夏鳥の調査
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Philippine Eagle Foundation(フィリピンワシ保護財団)【フィリピンワシ/フィリピン ミンダナオ島】
発表者:Executive Director Jayson Ibanez氏〈オンライン発表〉
フィリピンミンダナオ島におけるフィリピンワシの感電防止対策と生物多様性に富む原生林の保全再生
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EXPLORE GAIA ENTERPRISE【サイチョウ類/マレーシア サバ州(ボルネオ島)】
発表者:近藤 万里氏(特定非営利活動法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン)〈代理発表〉
キナバタンガン川流域において絶滅の恐れのあるサイチョウ類の営巣機会の向上
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ブータン王立自然保護協会【シロハラサギ/ブータン王国および新潟県】
発表者:Chief, Specie Conservation Division, RSPN. Jigme Tshering氏〈オンライン発表〉
ブータン王国の絶滅危惧鳥シロハラサギの飼育下繁殖技術の確立
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「水辺の大型鳥類保護」部門 2団体

2024年度 助成プロジェクト一覧は こちら



公益財団法人 日本生態系協会 【ナベヅルマナヅル/鹿児島県他】
発表者:主任研究員 平林 毅一郎氏
ナベヅルマナヅルの越冬地分散プロジェクト
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公益財団法人 日本鳥類保護連盟【トキ/石川県他】
発表者:専務理事 名執 芳博氏
本州でのトキ野生復帰・定着支援プロジェクト
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上記の他にも例年通り,「地域愛鳥活動助成」部門への助成10件が行われました。

2024年度 助成プロジェクト一覧は こちら


・ 群馬県立新田暁高等学校 文理総合系列プロジェクトK/校内で繁殖するチョウゲンボウの繁殖生態の研究(チョウゲンボウ 群馬県)
・ Toyooka AgRestart/コウノトリの子育てを観察して生態系を学ぼう ~人にもコウノトリにも優しい共生農業~(コウノトリ 兵庫県)
・ 福生市立福生第五小学校 愛鳥委員会/自然を大切にする愛情豊かな児童を育てる愛鳥活動(野鳥 東京都)
・ 京都府立西舞鶴高等学校 自然科学部/京都府舞鶴市冠島におけるオオミズナギドリの生態調査と地域に向けた発信活動(オオミズナギドリ 京都府)
・ やませみ22/ブッポウソウの保全と愛鳥精神の普及(ブッポウソウ 愛媛県)
・ つくし野ビオトーププロジェクト/大都市近郊住宅地の野鳥生態理解推進と野鳥が住める環境の理解・保護、巣箱の製作と設置・管理(シジュウカラほかの野鳥 東京都)
・ 比企ワシタカ研究会/絶滅危惧種イカルチドリの生態をまとめた啓発冊子の作成(イカルチドリ 埼玉県)
・ 出水市立鶴荘学園ツルクラブ/ツルの羽数調査及びツルの家族構成分散状況調査(ツル 鹿児島県)
・ 一般社団法人 ヤマネ・いきもの研究所/山梨県北杜市里山の野鳥調査で里山のOECM化に寄与し自然観察会で生物多様性教育を行う(野鳥 山梨県)
・ NPO法人日本中国朱鷺保護協会/能登のトキ野生復帰に向けての普及啓発活動(トキ 石川県)

*2025年度の助成団体の募集は2024年9月に開始する予定です。