2021年度,公益信託サントリー世界愛鳥基金は4,165万円の助成を行いました
鳥を守る取り組みには,環境を整備したり,ケガをした鳥を保護したり,繁殖地を保全するといった,さまざまな種類があります。そのすべてに共通するのは,成果が出るまでに時間がかかること,そして多くの人の協力が必要なことです。活動を計画し,実行し,結果を報告する——この流れを続けていくことこそが鳥の保全では最も大切なことであり,今日もさまざまな団体が日夜,鳥と向き合っています。サントリー世界愛鳥基金は今年で32年目,これからもさまざまな団体の野鳥保護・調査活動を助成していきます。
2021年度の活動助成金贈呈式は,新型コロナウイルス感染症リスク回避のため,4月5日にオンラインにて開催いたしました。
贈呈式は,運営委員のご紹介の後,サントリーホールディングス株式会社 執行役員・コーポレートサステナビリティ推進本部長の福本ともみ氏,環境省自然環境局野生生物課長の中尾文子氏,運営委員長の塚本瑞天氏のご挨拶よりはじまり,各助成団体の発表が続きました。
本日は2021年度サントリー世界愛鳥基金の贈呈式にお集まりいただき誠にありがとうございます。また,このたび助成をお受けになる団体の皆様にお祝いを申し上げさせていただきます。
おめでとうございます。新型コロナウイルス感染症が残念ながら収束しない中,感染に注意を払いながら2021年度も愛鳥活動を継続推進される皆さまの熱意と行動力に心から敬意を表し,愛鳥基金を通して少しでも応援出来る事を委託者として大変嬉しく思っています。
サントリー世界愛鳥基金の,野生生物保護の推進に対する協力に感謝し,30年以上の長きにわたる保護活動への支援に心から敬意を表します。生物多様性を保全し,SDGsの達成を世界で目指すにあたっても,今回助成をいただくような地道な活動が広がっていくことが重要です。また,より多くの日本企業に,サントリーホールディングス(株)のように,世界に率先して地球環境保全活動に取り組む姿を示していただきたいと考えています。
2021年度助成金給付対象となった皆さまに心よりお祝いを申し上げます。運営委員会での熱心な議論を経て,今年度は,合計26件,4,165万円の助成を行うこととしました。私どもの支援が少しでもお役に立てば幸いです。「サントリー世界愛鳥基金」は,日本と世界の自然環境保護のため鳥類保護活動の支援を通じて,皆さまとしっかり協働してまいりますので,引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
2021年度 助成プロジェクト一覧は こちら
公益社団法人日本動物園水族館協会:ライチョウの野生復帰させうる個体の創出に向けた技術開発(ライチョウ 東京都 神奈川県 栃木県 長野県 富山県 石川県)
日本雁を保護する会:東アジアのハクガン復元の取り組み、その成果と周知のために(ハクガン 北海道 東北 関東 北東ロシア 韓国 中国)
コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS):東アジア地域におけるコウノトリ保全ネットワーク形成事業(コウノトリ 全国)
公益財団法人 山階鳥類研究所:絶滅に瀕する小型鳥類における保全のための遺伝解析(絶滅に瀕する小型鳥類 北海道・東京都・沖縄本島他)
クマタカ生態研究グループ:クマタカ保護に有効な森林管理方法(とくに人工林)の確立(クマタカ 鈴鹿山脈)
特定非営利活動法人 どうぶつたちの病院沖縄:減らせ!ヤンバルクイナロードキル(ヤンバルクイナ 沖縄島)
水鳥研究会:コアジサシの採餌場所・休憩場所に関する実態調査(コアジサシ 千葉県九十九里浜・沖縄県泡瀬人工島・東京都昭和島森ケ崎水再生センター屋上)
特定非営利活動法人タンチョウ保護研究グループ:酪農地帯に生息するタンチョウの給餌場・牧場への依存を減らすための調査研究(タンチョウ 北海道)
特定非営利活動法人バードリサーチ:バードウォッチング記録を蓄積・活用するインターネットデータベースの改良・普及とデータ分析(野鳥全種 日本全国)
秋田猛禽類調査グループ:イヌワシを主とした希少猛禽類の生息・分布調査(イヌワシ 秋田県)
特定非営利活動法人 西中国山地自然史研究会:八幡高原の渡り鳥の調査と保全および啓発活動(クマタカ・ブッポウソウ他 広島県八幡高原)
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公益財団法人日本生態系協会:コウノトリ定着・広域ネットワーク推進プロジェクト(コウノトリ 栃木県小山市ほか周辺5市町 茨城県神栖市 徳島県鳴門市)
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*2022年度の助成団体の募集は2021年9月に開始する予定です