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2024年度助成プロジェクト
「鳥類保護団体への活動助成」部門(11件、2,000万円)
団体名 対象活動 助成額
Philippine Eagle Foundation(フィリピンワシ保護財団) フィリピンミンダナオ島におけるフィリピンワシの感電防止対策と生物多様性に富む原生林の保全再生 200万円
EXPLORE GAIA ENTERPRISE キナバタンガン川流域において絶滅の恐れのあるサイチョウ類の営巣機会の向上 200万円
Royal Society for Protection of Nature(ブータン王立自然保護協会 ブータン王国の絶滅危惧鳥シロハラサギの飼育下繁殖技術の確立 200万円
豊橋総合動植物公園 亜種アカモズの飼育下繁殖 200万円
NPO法人奄美野鳥の会 世界自然遺産登録地に生息するアマミヤマシギの保全のための調査・研究 200万円
(公財)山階鳥類研究所 絶滅危惧種アホウドリの保全に資する利用海域の特定 200万円
(公財)富山市ファミリーパーク公社 ヨウムの野生復帰を想定した繁殖技術の確立 200万円
コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS) コウノトリの国内全繁殖地における繁殖状況調査および新たなコウノトリ保全方針の作成 200万円
NPO法人バードリサーチ フィリピンの持続可能な森林農法コーヒー農園で越冬している夏鳥の調査 157万円
日本野鳥の会
佐賀県支部
コウノトリ繁殖支援活動(継続) 154万円
NPO法人三段峡-太田川流域研究会 ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ 89万円
Philippine Eagle Foundation(フィリピンワシ保護財団)
フィリピンミンダナオ島におけるフィリピンワシの感電防止対策と生物多様性に富む原生林の保全再生
感電防止対策と普及啓発のためのポスター
感電防止対策と普及啓発のためのポスター

ミンダナオ島南部のArakan自治区は世界で最も絶滅の危機にある猛禽、フィリピンワシの重要な繁殖場所ですが、国立保護区に指定されておらず、巣立ち雛が感電や密猟により死亡しています。3年目は3工区1.5kmでの感電防止対策を行うとともに、地元住民からなる森林パトロール隊をより強化し、密猟と違法な森林伐採の防止、植林を進め、フィリピンの生物多様性に富む森林再生を図ります。

■活動地:フィリピンミンダナオ島
■助成額:200万円

EXPLORE GAIA ENTERPRISE
キナバタンガン川流域において絶滅の恐れのあるサイチョウ類の営巣機会の向上
ツノサイチョウ
ツノサイチョウ

ボルネオ島キナバタンガン川流域で熱帯雨林のナショナル・トラスト活動や生物多様性保全活動を行っています。2024年は現地の団体と協力してサイチョウの営巣環境を再現した人口巣箱を製作・設置するほか、自然の樹洞を修復してサイチョウの営巣環境を改善します。巣箱や樹洞は自動撮影カメラでモニタリングしてサイチョウや他の動物の行動データを収集し、今後の研究に活用します。

■活動地:マレーシアボルネオ島
■助成額:200万円

Royal Society for Protection of Nature(ブータン王立自然保護協会)
ブータン王国の絶滅危惧鳥シロハラサギの飼育下繁殖技術の確立
シロハラサギ保護に関する講義
シロハラサギ保護に関する講義

シロハラサギはヒマラヤの淡水河川生態系に生息する絶滅危惧鳥類です。ブータン国内の生存個体はわずか24羽であり、その存続は極めて危機的な状況です。本協会はシロハラサギの生息域外保全の拠点施設に、日本から飼育下繁殖の専門家をブータンに招聘し、シロハラサギの野外卵の孵化・飼育下繁殖を実施します。また日本での研修で安定的な飼育繁殖を実現し、放鳥による野生下のシロハラサギの個体群を補強することを目指します。

■活動地:ブータン王国および新潟県佐渡市
■助成額:200万円

豊橋総合動植物公園
亜種アカモズの飼育下繁殖
人工育雛(雛への給餌)
人工育雛(雛への給餌)

急速に個体数が減少している亜種アカモズの絶滅回避のために、2023年に飼育下での保全活動を開始しました。これまでに、放棄卵を用いた人工孵卵・育雛に成功しています。2024年は、飼育環境を充実させ、2023年の成育個体をファウンダーとして、飼育下での繁殖に取り組みます。将来的に、野生個体群を補強できる生息域外個体群の確立を目指しています。

■活動地:愛知県豊橋市
■助成額:200万円

NPO法人奄美野鳥の会
世界自然遺産登録地に生息するアマミヤマシギの保全のための調査・研究
GPS、色足環を装着したアマミヤマシギ
GPS、色足環を装着したアマミヤマシギ

当団体は奄美に生息する希少鳥類の保全のための調査・研究、およびその結果の普及・啓発活動に力を入れています。奄美大島や徳之島で繁殖するアマミヤマシギは、冬季に沖縄島などでも確認されています。2023年度、日本鳥類保護連盟との協同調査によりGPSを装着した個体の沖縄島から奄美大島への移動が初めて確認できました。2024年度はアマミヤマシギの移動生態をさらに詳細に調査し、保全のためのデータを蓄積します。

■活動地:鹿児島県(奄美群島)、沖縄県
■助成額:200万円

(公財)山階鳥類研究所
絶滅危惧種アホウドリの保全に資する利用海域の特定
アホウドリ
アホウドリ

絶滅危惧種アホウドリは、これまでひとつの単位として保全事業が進められてきました。しかし最近、別種ほどに異なる2つの集団が明らかとなり、それぞれの独自性を保つ保全策の検討が急務となっています。本活動では、衛星追跡型GPSを用いて繁殖期以外に利用する海域の特定と周年の移動を追跡し、両集団がさらされる漁業混獲や海洋汚染など海の脅威について検討します。

■活動地:北海道、青森県、長崎県など
■助成額:200万円

(公財)富山市ファミリーパーク公社
ヨウムの野生復帰を想定した繁殖技術の確立
群れのヨウム
群れのヨウム

ペットとして需要の高いヨウムは、原産地アフリカでは密猟などにより絶滅の危機に瀕しています。野生復帰を想定した繁殖技術の開発を目指し、2022年から群れ飼育を開始したところ、2023年に交尾がなかったものの産卵に至りました。また、産卵時期にあわせて雌雄に繁殖ホルモンの活性も確認できたことから交尾を促す環境を整えて、繁殖の成功を目指します。

■活動地:富山県
■助成額:200万円

コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS)
コウノトリの国内全繁殖地における繁殖状況調査および新たなコウノトリ保全方針の作成
初めてコウノトリが繁殖した広島県世羅町で、地元動物園職員らとともに雛への足環装着を実施
初めてコウノトリが繁殖した広島県世羅町で、地元動物園職員らとともに雛への足環装着を実施

2005年に飼育下繁殖個体の野外放鳥を開始して以降、コウノトリの繁殖地は次第に全国へと拡がり、2023年には12府県で巣立ちが確認されました。当パネルでは、野生個体群の詳細なモニタリングを継続するとともに、活動の指針として新たな「コウノトリ保全方針」を作成し、生息域内と生息域外の双方における一体的な保全活動を推進していきます。

■活動地:全国
■助成額:200万円

NPO法人バードリサーチ
フィリピンの持続可能な森林農法コーヒー農園で越冬している夏鳥の調査
アグロフォレストリーでのコーヒー収穫
アグロフォレストリーでのコーヒー収穫

日本の夏鳥が越冬するフィリピンのルソン島には、野鳥の生息環境への影響が小さいアグロフォレストリー農法でコーヒー生産をしている地域があります。この場所で12-1月にかすみ網を使った捕獲調査を行い、越冬している夏鳥や留鳥の生息状況を調べることで野鳥保全効果を可視化し、コーヒーのブランド化やフィリピン国内と日本での販売促進につなげます。

■活動地:フィリピンルソン島
■助成額:157万円

日本野鳥の会佐賀県支部
コウノトリ繁殖支援活動(継続)
巣立ち間近のコウノトリの親子 6月19日
巣立ち間近のコウノトリの親子 6月19日

2023年九州で初めてコウノトリが2羽巣立ちました。2024年はコウノトリ繁殖支援と同時に、今後恒久的に利用・拡大出来る環境を整える目的で継続活動致します。繁殖成功後、周辺地域へは度々、繁殖した親子以外の複数のコウノトリが飛来するようになりました。今後、新たな番い(つがい)や昨年巣立った個体が、継続的に利用出来る環境を作ると共に、地域住民の理解を深めていきます。

■活動地:佐賀県有明海沿岸部
■助成額:154万円

NPO法人 三段峡―太田川流域研究会
ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ
ヤマセミの生態について説明
ヤマセミの生態について説明

2023年度の助成支援による成果を基に2024年度も、①ヤマセミの保全活動②地域を巻き込んだ保全活動により、ヤマセミを指標種とした豊かな生態系が守り続けられる地域を目指します。①では引き続きヤマセミの個体数把握と繁殖状況の確認、改善した人工巣穴の設置②では地域の愛鳥グループによるヤマセミの紙芝居を作成し、読み語りを実施致します。

■活動地:広島県
■助成額:89万円